12月26日(木)午後3時から京都地裁で京大吉田寮現棟(木造棟)と食堂の明け渡し請求訴訟の第3回口頭弁論が行われ、午後4時から、こどもみらい館で報告集会がありました。
京大は訴訟で▽大学は自治会に入寮募集の権限を与えておらす、寮生に寮の占有権限はない▽契約解除で在寮契約は終了した▽福利厚生施設だから施設所有者の裁量で決定できる▽賃貸借契約ではなく、使用貸借契約▽老朽化による倒壊の危険性がある▽大学と自治会との確約書は組織決定されたものではない-などと主張しています。
前回(10月7日)までと今回の弁論で、被告となっている寮生の代理人弁護士は、大学と吉田寮自治会との確約書の内容を示し、「入寮選考を自治会が行う合意があり、寮生には寮の占有権限がある」と主張。
一方で、「建物劣化時の契約について合意がない」ことから、住人の保護を優先する「借地借家法」が適用されるとした上で、大学から「老朽化による倒壊の危険」の根拠として提出された書面(平成17年の耐震診断報告書と平成24年の耐震調査業務報告書)の内容を示し、「平成24年報告書が耐震不足としたのは規準(重要文化財などを対象としたより厳しい)を変更したため」と反論、「吉田寮は(立ち退きの理由となる)朽廃には至っておらず、在寮契約の更新を拒絶する正当理由はない」と主張しました。
さらに、「仮に朽廃(建て替えが必要な状態)に至っているとしても、原因は大規模補修の計画があったにもかかわらず補修や改修を怠った大学の管理運営の不十分さ(修繕義務の怠りという債務不履行)によるものであり、更新拒絶の正当な理由にならない」としました。
報告集会で代理人弁護士は、裁判長より大学に対して「在寮契約を解除する理由について老朽化以外にはないのか」「福利厚生施設だから解除できるというのは法的論理的に分からない」と問い掛けがあり、大学サイドにさらなる主張の追加が求められている状況を報告。「裁判長が大学に弱点を教えたともとれるが、寮生にどのような債務不履行があったのか、大学は答えられないのではないか」としました。
次回は2020年3月11日(水)午前11時から京都地裁です。代理人弁護士は「(次回で)争点が整理されるとは思えない」とし、来年秋から冬まで裁判が続くのではとの見通しを示しました。