連続公開学習会「吉田寮と京大」学の第6回「『場所』のなかで何が起こっているのか ―吉田寮の共同性を考えるため」を開催しました

連続公開学習会「吉田寮と京大」学の第6回が3月13日に京都市左京区の京都教育文化センターであり、「『場所』のなかで何が起こっているのか ―吉田寮の共同性を考えるため」と題して、元寮生の笠木丈さんが話されました。

笠木さんは留学による休寮を挟みながら十数年にわたって吉田寮に在籍。寮生活の中で見えてきたことについて、「祭りをやりつつ場所を作っていく試み」として自身が関わった吉田寮しばい部や石垣カフェ、不特定多数が出入りする「たまり部屋」づくりなどの話題を交えながら話されました。

「僕たちは吉田寮の何にひきつけられているのか」「何が豊かなのか、何が大事なのか」「経験による主観的となり、実はなかなか捉えずらい」という問い掛けから、吉田寮という場所で起こっている「いつのまにか」「巻き込み・巻き込まれ」「自分自身の境界を曖昧にしやすい」「プライベートとパブリックを区別しない」などをキーワードしとして出し、寮自治にとっての基盤や重要性を考察。「吉田寮は夜の中にある」という仮説を示し、「夜に寝ているのはもったいない」「夜は深まる。何かが起きる」「夜は『いつのまにか』を加速させる」と吉田寮に流れる時間について表現しました。

そして、寮の至る所に誰が置いたものか分からない物があることが、ありあわせのもので身軽に何か自らやってみる「ブリコラージュ」につながっていることや、「焼け跡」「食堂」など自分たちの振るまい次第の「余白」「空間」の大切さを指摘しました。

学習会には、京都に来られた元東大駒場寮生も含め、ズームと合わせて40人余りが参加、「夜は昼に負けることを宿命づけられているわけではない。こちらの土俵で闘うことが大切」「惜しまれながらなくなるではだめ」「村社会としての同質性の危険性も問われるべき」など、意見交換も活発に行われました。

 

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